共同研究の重要性

共同研究のあり方,特に実験生物学(Wet)と計算生物学(Dry)の共同研究のあり方についてずいぶん前から関心を持ち続けています。どんな場合においても共同研究が必要だと言っているわけではありませんが,それでも幅広い分野の知識・技術が必要になるような課題というものは確実に存在します。たとえば,創薬研究がそれに当たります。


共同研究のタイプには大きく分けて2つあると思います。1つはそれぞれをモジュールに切り分けることが出来る「自己完結型」の共同研究。もう1つは,モジュールに切り分けられない共同研究です。これと全く同じ指摘をしているのを何度か目にしています。たとえば以下で引用する本では,前者を「組み合わせ型(モジュラー型)」,後者を「すり合わせ型(インテグラル型)」と呼んでいます。そしてこの本では,創薬研究はすり合わせ型とされその難しさについて述べられています。

研究開発ですり合わせを妨げる障害の1つは,知識基盤が細かい専門分野に分断されていることだ。個々の専門分野の中には深い知識が蓄えられていても,ジャンル同士の関係を理解するのに役立つ知識はそれに比べて少ない。原因の一端は,アカデミックな専門領域が細かく分化されていて,それぞれが独自の問題意識,用語体系,目標,理論,手法,研究成果の発表媒体,研究成果の評価基準をもっていることにある。

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