みんなで1つの仕事をするということ

最近,何人かの人で仕事をすることが多くなってきました。研究は1人の方が気楽だしそれで間に合う仕事もあるわけですが,1人ではこなせない問題もあるわけで,目的に応じていろいろな規模を自由に選択できるようになりたいです。さて,そんなことを考えながらいろんな本を読んでいたら,みんな同じようなことを言っていることに気が付きました。いくつか抜粋。

チームであれ会社であれ軍隊であれ国であれ,人々を率いようとするときに直面する主たる問題は,みんなを同じ方向に進ませなきゃいけないということだ。

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もしチームの誰であれ,自分たちの仕事の背景を理解していないとなると,他の人たちの役には立たないことになる。NASAの女性の清掃員は,彼女が「月に人を送るため」に働いていることを心得ていた。だからこそNASAは目的を達成することができたのだ。

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われわれは,1人の指揮官と,その命に従う兵隊からなる「軍隊」ではない。共通の理想をかかげ,信念と責務を持った個人が,我が身を賭して生きる「ゲリラ」の集まりである –– 小国の自立と人類の自由と平等という理想の実現のために,あくまで個を拠点にしながら,既成の社会と闘う人生を選んだチェ・ゲバラに強い影響を受けていた。

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日本の大学の事務はたいてい先生たちに嫌われている(と思います)。これは,同じ方向を向いているという気持ちになれないからではないでしょうか。たとえば,外部から競争資金を獲得しようとしているときに,なぜあんなに学内に障壁が多いのだろう。はっきりいって非協力的と感じられます。しかしこれをその事務の方の性格とかやる気に帰着することが正しいこととは思いません。きちんとした環境に置かれれば能力を発揮できる人たちだと信じています(実際に,驚くほど能力の高い事務の人が存在します)。大きな問題は,外部から獲得した資金の恩恵を事務が感じにくいようになっているという,仕組みの問題なのだと思う(実際には事務はけっこうな額を間接経費を受け取っているはずですが…)。


話は飛んでしまいますが,はっきり言って,こうした事務とか役所とか天下り先で支払われている人件費はものすごく無駄です。ある人はそこに無駄なお金を払える日本は懐が深い,と喜んでいましたが,実際にそういう人たちに接すると頭にきます。たぶん彼らの業務の一部はパソコンが代替できるもので,もし本当にそうだとしたら早いところそのシステムを開発した方がいいと,自分は信じています。